橋下市長VS学者たち~「文句はないから結果出せ」でOKだと思うの~

こんにちは!かやです。東京では昨日、申し訳程度に雪が降りました。地元はちょっとした雪国(ってどんなだよ)なので、凍った雪道を歩くのが割と得意な私です。

 

 

先日のブログ『橋下市長を支持する「普通」願望』では、について考えました。彼の批判する「既得権益」は一部の大金持ちではない。経済格差が拡大する中、「普通の生活」を実現できている層こそが既得権益なので

す。

 

この記事には多くのコメントをいただきました。記事を書いた後も橋下市長の勢いは衰えることなく、高い支持率をキープしているもよう…。

 

 

そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの橋下市長とテレビ討論をした研究者たちは、皆こてんぱんにやられているようです。例えば政治学者の中島岳志氏や山口二郎氏、エコノミストの浜矩子氏。森永卓郎氏も朝日放送の討論で「フルボッコ」にされたとか…。普段偉そうなことを言っている学者先生らが、ぐうの音も出ないほど打ちのめされるのを見て、視聴者はスッキリ爽快な気分を味わったでしょうか。

 

 

政治学者や経済学者は皆、橋下市長に「文句言うならお前がやってみろ」と言われて黙ってしまいます。視聴者はそれを見て溜飲を下げる。結果的に橋下氏が勝ったように見えるわけですが、まあ完全にパンとサーカスですよね。彼のやり方は、彼自身が『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)で手の内を明かしている通り、非常に単純かつテクニカルです。

 

 

そもそも学生や同業者相手にしか講義しない研究者と、弁護士タレント出身の政治家ディベートしてどちらが勝つかは目に見えています弁護士の仕事は基本的に「こちらの要求を相手にのませること」です。それをなりわいとし、さらにタレントとしても活躍していた彼がテレビという「現場」で負けるわけがないのです。

 




中島氏らに対し、彼はTwitterで次のようにコメントします。

 

 

この中島とか言う学者に改革の一つでもやってもらいたいよ。大阪市の特別参与と言うポジションをを与えるからさ。学者も税金をもらっているんだから厳しく評価しなければならない。行政の改革をやらせてみたらいいんだ。まあこの中島氏、市役所で会議一つも開けないだろうけど。ほんと税金の無駄。」

 

 

報道ステーションサンデーの録画を見たけど、また浜と言う同志社の教授が出ていた。長々と放して[原文ママ]いたけど、結局具体策は何も言わず。だから何をどうしたら良いのか一つでも言ってみなさいよ。結局分かち合いの仕組みをしっかり作ること、富の配分をしっかり作ること、これしか言わなかった。」

 




彼独自の「お前もやってみろ論法」ですね。これを言われると、研究者為政者ではないので黙るしかない。




彼が上手いのは、「相手に譲歩したように見せかけ、自分に有利な前提で話を進める」点です。この場合、自分を批判する相手に「大阪市の特別参与というポジションを与えるからさ」と言って一瞬、譲歩したように見える。でも相手はそれに乗ってこない人間、ということが彼には分かっている。そこで「ほーら俺が譲歩してやってるのに何もできないだろ、口ばっかり」と打ち負かすことが可能になるのですね。うーん、絶対口ゲンカはしたくないタイプ…だって最初から負けてるもの。うますぎるんですよ。

 



ただひとつ思うのは、こんな時代の研究者に必要なのはこの手のテレビ討論で勝つことではなく、むしろテレビを見ている「一般大衆」(とあえて言いますが)に語りかけることじゃないか、ということです




とはいえ難しいのが、橋下市長を盲目的に支持する層がいたとして、彼らに語りかけることがそもそも可能なのかってことですよね。それこそテレビ以外の場所で




中島氏は自身のブログで橋下市長の交渉テクニックを詳細に分析しています。そして「橋下氏の巧みな操作を見破らなければなりません」「テレビを見ながら、『今は○○というテクニックを使ったな』と冷静に分析することができれば、彼の主張の『おかしさ』を的確に見抜くことができるようになります。」と言う。





嫌味に響くかもしれないけれど、学者の役割ってそもそも「人々の啓蒙」ではなかったか…相手は橋下市長とは違うところにいるのですハシズムに対峙する研究者は、「橋下市長の手法は~で、だからあなたは支持したくなるんだよ。盲目的になるのも良いけど、なぜ自分がそれほど彼を支持するのか、その背景を考えてみるのも良いんじゃないですか」位のことは言えると思う。それ以上言うと「じゃあお前がやってみろ」の罠にかかってしまいます。

 



「文句言うならお前がやってみろ」との主張には、「文句は言わへんからホンマに結果出せや」と言い返せばよいのに。





橋下市長が何をやってくれるのか、私もしばらくは静観したいと思います。

結果出してもらいましょ。おおきに。



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